大判例

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東京高等裁判所 昭和55年(ネ)1339号 判決

(二) 次に、控訴人神谷は、被控訴人の賃料相当額の損害金の請求に対し、同控訴人主張の未払給料債権並びに貸金債権をもってする相殺は許容されるべきであるとするが、立法論はともかく、現行の民法第五〇九条につき同控訴人主張の如き限定的解釈を加える余地のないことは右法条の規定自体からしても明らかなところであるから、被控訴人の右請求が本件建物部分の所有権を侵害する不法行為に因る損害の賠償を求めるものとみるべきである以上、たとえ、それが他方において建物貸借の終了による返還債務の不履行となるべき一面をも併せ有するとしても、その理に変りになく、結局、同控訴人の右主張は独自の見解に基づくものとして採用することができない。

(杉田 中村 松岡)

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